岩山郁代(旧姓)の「なひけ?」の話 Vol.10

 

夫の育休 (1)

2005年の12月2日、
予定日より三週間早く第二子が生まれ、
夫は育児のため、有給休暇と冬休みを使い、
1ヶ月間休みを取った。
その間、毎日、三食を作り、洗濯をし、
長女を保育園へ送り(一時保育)、掃除をし、
第二子を沐浴させてくれた。
男性の育児休暇取得率が
この日本で0.56%(少子化白書)という中で、
本当にありがたかった。

締め切りのせまった博士論文を合間に書きながらも、
本当によくやってくれたと思う。
心から感謝したい。

たとえ、睡眠不足の私を起こして
調味料の場所や調理法を何度もきいたり、
三角コーナーを洗うスポンジで食器を洗ったり、
トイレの手ふきタオルで娘の顔を拭いていたり、
洗濯干し場を拭かずに干して、タオルが汚れていたり、
娘の洋服を前後ろ、反対に着せていたり、
賞味期限ぎりぎりの食品をたくさん買ってきたり、
泥つきの野菜をそのまま調理していたり、
四角い部屋を丸く掃除機かけていたり、
洗ったはずの茶碗に油や食べかすがついていたり、
しわくちゃなまま干した服を着ていたりしたとしても、
夫は本当にがんばってくれたと思う。


■赤ちゃん返りした上の子をおぶる夫

この間、私もさまざまなことを学んだ。
適材適所という言葉の意味を深く理解することができた。

夫も主婦の忙しさを学んだという。
仕事復帰の前日、
「主婦はマジで大変なんだな。
   俺にはできない・・。
     主婦はすげえよ」
・・・・とポツリとつぶやいていた。
夫にとっての主夫業は、かなりの重荷だったようだ。

私達は共に「忍耐」というものを学んだ。

もちろん、この間、
私達は2人だけで乗り越えられたわけではない。
仕事が休みの日に料理を持ってきてくれた夫の両親。
栄養のあるものをと、遠くから食事を作りに来てくれた私の姉。
夫の休暇を快諾してくれた上司。
夫の仕事を負担してくれた、職場の人。
私達は、周囲によって支えられた。

夫が育児のために取得した休みは、
私達を大きく成長させてくれたような気がする。

 

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