岩山郁代(旧姓)の「なひけ?」の話 Vol.16

 

岩手(盛岡)にやってきた!(4)

〜よそもの(島外者)の気持ち〜

盛岡市の川の近くに、
少し古めかしいが思わず入ってみたくなるような、
趣のある甘味処(お餅屋さん)がある。
小さい子供2人を連れての入店は、勇気がいるが、
幸いにもお客さんが誰もいないようだったので、
家族で入ってみた。

店内も日本風で雰囲気もよく、
私達はそれぞれ、お餅やあんみつを注文した。
すると、店内にいた中年の女性二人が
ぺちゃくちゃと楽しそうに話しているのだが、
こちらに運ぶ時には笑顔一つ見せず、
無言のままで品物を置いていった。
そしてまた、2人のおしゃべりが再び始まった。
私達は楽しい気分が飛び去り、
少ししらけた気分の中で店員さんの雑音を聞きながら、食した。
いつもならば、「ご馳走様」という声をかけて、
外へ出るのだが、
今回はその言葉さえかける気にならず、
会計を済ませている夫の脇をすり抜け、さっさと外へ出た。

開口一番、
 「もう行かないね」と、私が言った。
夫は
 「そうだな。あの雰囲気はないよな。
  せっかくよさそうな店なのに、
  もったいねえな〜」
何だか怒りがふつふつと沸いてきた私は夫に向かって、
再び言った。
「最低だね。
 お客さんを何だと思っているのかな?
 常連客だと態度が変わるのかしら。
 殿様商売なのか知らないけど、
 まったく腹が立つわ!」
すると夫が一言
「屋久島も同じじゃないか」。

が〜ん!ときた。
言われてみれば確かにそうだ。
昨年、夏に帰省した時に行った飲食店の店員も無愛想で、
きつい言葉での応対をされた。
地元ながらも私達は二度と行きたくないと感じた。
夫は初めて屋久島に来たときに、どこの店へ行っても、
無愛想で感じの悪い店員の態度に閉口したという。

「屋久島も同じじゃないか」
という言葉の事実に改めてショックを受けた私は、
しばらく落ち込んでしまった。
屋久島に初めて訪れた時の夫の気持ちと、
今の私の気持ちが重なった。

初めて私は「よそもの」の気持ちがわかったような気がした。
切ない気持ちで一杯になった一日だった。

 

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