新婚生活 in 屋久島 (2) 〜ねずみ編〜
私達が新しく生活をはじめた小屋、いや、家は、
周囲を山と畑に囲まれたところにあった。
その家は、屋根と壁がトタンでできていたが、
両親がリフォームをしてくれたので、
中だけはとてもきれいだった。
しかし雨が降ると、
大声をださなければ会話ができない、
冬と夏は外と気温が変わらず、
エアコンも役にたたない
・・・
という難点もいくつかあった。
さて、その家にはたくさんの客が出没した。
むかで、くも、あり、かめむし、かなぶん、
あまめ(さつまゴキブリ)、サワガニ・・・・等々。
なかでも一番大きな客がねずみだった。
夜中に駆け回るので、私達は睡眠を妨害され、
多少迷惑していた。
そのため、2人で話し合い、退治する決意をしたのである。
市販のねずみ捕りを買い、説明書どおり、
粘着テープの上に付属の餌を撒き、壁側に置いた。
早速その夜、真っ暗な中、現れた。
「チューチュー」と私達をからかうように走り回るねずみ達。
ねずみ捕りを置いた場所に音がさしかかった。
「袋のねずみ」でなく、
「粘着テープの上のねずみ」が見られるのはまもなくだ・・と、待ち構えていたのも束の間・・・
ねずみ達は罠をしかけた場所を通りすぎて走り回っている。
どうやら失敗したようだ。
しかし、なぜ・・・?
罠の場所を換え、3箇所に増やしたが、
ねずみはなかなか捕まらなかった。
そんな話をしていたら、たまたま職場の人に
「チーズを置いたらいいよ」と、
アドバイスされた。
なるほど、ねずみにはチーズか。
早速、ねずみ捕りの真ん中にチーズを置いてみた。
そして夜。
真っ暗な中、再びねずみが登場した。
部屋を走り回る音や声が聞こえる。と、その時だった。
「チュ!」と大きな声がして、
ねずみの走る音が止んだ。
そばに携帯しておいた懐中電灯で照らしてみる。
やったあ〜、ひっかかったぞ〜。
「すごいね〜。やっぱりチーズが決め手だったね〜」と
手を取り合って喜ぶ私達。
しかし次の瞬間、
「ところで、あれはどう処理するの?」という言葉で、
私達は共に青ざめてしまった。
結局、じゃんけんに負けた夫が担当することになった。
夫は屋久島での生活が決して楽ではないことを
この頃から感じ始めていたらしい。
■サワガニたちも共生していた二人の新居
■新居の内部 (*夫の調査に協力してくれた鹿大生たち)
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