兵頭昌明の四方談義 Vol.10

 

学校の適正規模とは

検討委員会の答申によると、口之永良部島の金岳中学を除く、上屋久町の永田、一湊、宮之浦、小瀬田中学校を統合し、バス通学させようとのこと。

学校の成り立ちと、地域ではたしてきた役割を抜きに、財政の効率化や生徒児童の多少による教育効果の側面からのみ、統廃合の問題を論じることはできません。
今さらながら、「教育には家庭、地域、学校の協力が必要です」などといわなければならないとは、語るに落ちます。
学校の適正な規模とはどのようなものでしょうか?

相撲はひとりではとられませんし、合唱もひとりではできないし、野球は18人、サッカーとなると22人、とキリがありません。
財政面からいえば、学校を1校減らすことで、設備や人件費に大きな違いがあるでしょう。

それでも、教育を論ずるとき、そんな条件以上に、そこに子どもがひとりでも存在するかぎり、「なにがその子どもの将来にとって最も必要で、良い方法なのか」という1点で考えるべきだと思うのです。

教育が精神的、物理的に、家庭からも地域からも遠く離れていくことに危機を感じます。

教育と防災は、自治体の基本的な仕事です。
いついかなる時もおろそかにしてはなりません。
たとえ我が身を犠牲にしても家族を守り、食うことを辛抱しても子どもを育てるのが、親たるものの務めだったはず。
こんな単純なことが、忘れ去られるような気がして残念です。

加えて、上屋久町と屋久町の合併が目の前に迫っているこの時点で、こういった統廃合議論は、屋久島という単位で検討されたものかどうか、はなはだ疑わしいかぎりです。

いずれにしろ、教育問題を論ずるときは、あらゆる思惑や利害を排し、真剣に子どもたちの未来を考えてほしいものです。
子どもたちこそ、この島の未来、希望なのですから......。

(2006.2.25発行のレポートより、加筆転載)

 

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