小さな地域の小さな小学校
学校規模適正化検討委員会という組織があって、学校の統廃合について議論をしているそうです。
教育問題が論じられるとき、気になることがあります。それは、ともすると「子どものために」という、教育の本質からはなれ、「大人のために」の期待であったり、効果、効率論に陥りやすいということです。
中学校については別ですが、小学校については基本的に子どもがいて施設がある限り、集落単位に存続させるべきだと考えます。子どもたちにとって、せめて小学校を卒業するまでは、自分の生まれて育った土地で学ぶことが最良だと思うのです。
経済上「効率的」でないことは重々承知していますが、計る単位をかえれば、あながち「非効率的」とばかりもいえないでしょう。教育効果の面から異論のあることも承知しています。
たとえば、その対応策として山村留学や一定条件のもとで校区外からの入学や転校を認める特認校制度もありましょう。しかし、それらの制度にも一長一短があり、必ずしもすべてが解決されるものでもありません。
小さな学校、集団の持つ特長を生かす一方で、その不足する部分を補う対策として、共同授業を提案します。子どもと教師を自由に動かすことで、かなりの不足部分は解消されることにならないものでしょうか。むろん、乗り越えることが容易でない規制がたくさんあることは承知の上での提案です。
規制、決まりなんてものは、しょせん人間の作ったもの、現実に合わなくなれば、作り替えればいいと思っています。
いつもは自分の生まれ育った集落の中で、地域の大人やおじいちゃん、おばあちゃんに囲まれて遊び、学び。ときには大きな学校の集団の中に入って遊び、学ぶ。そんな環境が実現できたら、子どもたちはもちろん、地域にそのものも元気になるのではないでしょうか。
子どもたちが徹底して自分の故郷を体験しつくすことが「子どものために」、ひいては「地域のために」役立つと思います。
安易に「子どものために」と叫ぶのではなく、「金がないから」とすべてを片づけることなく、今こそ知恵を出し合って、一日一日地道な努力を積み重ねることが大事だと思います。
(2005.5.2発行の【レポート8】より、加筆転載)
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