山のことは山に聞け
屋久島は特異な自然環境から、永年、自然科学をはじめとする多くの学者の研究対象となってきました。
それでもなお、鹿や猿の頭数が増えているものやら減っているものやら、増減のメカニズムに納得できる説明がひとつもみつからないのはなぜでしょうか?
最近の動きをみていると、先に結論ありきで、島の世論までもひとつの方向へ誘導しようとしているように感じられてなりません。自分の学説の実証のために地元を巻き込んでシャカリキになっているさまは、それが善意であるだけに複雑な思いです。知床にイエローストーンのオオカミを移入する計画など、人ごととは思えません。
山のことは山に、海のことは海に聞き、そして人のことは人が責任を持つべきです。人間が自然界のコントロール、野生動植物の個体管理を考えるなどおこがましいこと。
ヒトは自らがどれほどのものであるのかを、たえず自らに問い続けなければないない、と私は考えます。
(2006.5.30発行のレポート23より、加筆転載)
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