兵頭昌明の四方談義 Vol.17

 

あなたはこの島の未来に責任を持てますか?

のどに刺さった小さな刺がとれない気分で、どうにもすっきりしません。賛成!反対!とあれほどのエネルギーを費やしたのに、「合併」はどこへ行ってしまったのでしょうか?

「知らないのはおまえだけで、来年3月31日の合併へ向けて、ことは肅々と進んでいるのです」と怒られそうです。

屋久島の将来を本気で考えるよい機会であったはずの「合併」議論は、現実を無視した「観念論」と、目の前の利益を優先する「唯物論」とで混乱してしまいました。
この機会を十分に生かすことのできなかった不甲斐なさが残念でなりません。

将来に渡っていかにあるべきかという理想と、なにができるかという現実を同時に見据え、「私心を捨てて」議論をし、行動を起こすべきだと訴え続けてきました。紆余曲折はあったものの、ともかく、ことは前に進みだしたと信じていたのは、私だけではなかったと思うのですが.....。ここにきて、政治や行政の場にある人々や、利権に絡む人々の言動についての噂話ばかりが、住民の間にあふれています。

これまでの官民の動きは、理想も現実も無視して、目の前の利益の追求に狂奔しているとしかみえません。現職の政治家や候補者たちが、選挙に備え日々の政治活動をなおざりにして、選挙活動に走り回る姿はみたくありません。

行政がなすべきことは、寸暇を惜しんで新町への事務移行を滞りなく進めることであり、後年にツケをまわすような事業は自粛し、行きがけの駄賃的な事業は厳に慎むべきです。

今、この島に住民票があるというだけで、わたしたちは誰もが経験したことのない新しい自治体を創りだそうとしているのです。そのことの重さを考えると、身の震える思いです。

あなたはこの島の未来に責任を持てますか?

(2006.6.17発行のレポート24より、加筆転載)

 

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