兵頭昌明の四方談義 Vol.27

 

四つの提言

■その1 宮之浦ー安房間の基幹道路について
観光客が年間30万人を超えたといわれています。この数字は、夏を中心としたハイシーズンに集中しています。
玄関口は島の北東の宮之浦港、東の小瀬田に位置する屋久島空港、南東の安房港の3箇所。宮之浦ー安房間は深い谷と峯の連続な上、台風の常襲期とハイシーズンとは重なり、いつ陸上交通路が遮断されてもおかしくありません。
種子島や奄美大島には国道があるのですから、宮之浦ー安房間に国道があってもおかしくはありません。かつてそういった運動もありました。
すでに、山側にある東部林道を環境に負荷の少ない方法で整備し、その役割を与えれば、一帯の海岸段丘も新たな形で、生かされるのではないでしょうか。

■その2 造材技術の島内移入で林業再生
昭和30年代以降、拡大造林政策によって屋久島に植林された杉の伐採期がやってきました。
その量たるや官民ともに大変なものです。日本全国に競合相手がいるのですから、さらにこれを金にするのは、気の遠くなるような話です。
「地材地建」などといっていても、片はつきません。島民一人一人が何件も家を建てるなど不可能です。とにかく屋久島材を商品にしなければなりません。
そのための緊急課題は、造材技術者の養成です。
町、県、森林組合が協力して、何人でもいいですから、先進地に1年以上技術習得のための人材を送り出しましょう。そして造材技術を屋久島に早急に移入させましょう。

■その3 各集落で定期的に市を開きましょう
農業の盛んな島の南側を中心に、常設の無人市が定着してきました。各集落で年に1回開かれる祭りも出揃ったようです。
さらに一歩進めて、毎月決まった日に、待ち回りの市を開催してはどうでしょうか。
観光資源としてはもちろんのこと、高齢化が進む中、地域のことは地域でまかなうことを再認識し、集落の再生をはかりたいものです。

■その4 クリーンエネルギーを見直しましょう
「屋久島の電力は100%水力発電でまかなわれている」といえば、島外の人は驚きの表情です。私たちにとってそれは当たり前のことであり、それ以上ではありません。
その他のエネルギーも考えてみましょう。
暮し、農業、漁業、林業、観光業......、クリーンエネルギーに替えていけるものがあるかもしれません。「ゴミ」と呼ばれているものをエネルギーに変換していけるかもしれません。夢は広がります。

(2007.3.7発行のレポート37より、加筆訂正)

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