兵頭昌明の四方談義 Vol.31

 

あえて問題にされないふたつのこと

私生活で立て続けに、医療や介護、社会保障の問題に直面し、初めて気づくことの多さに愕然としています。

問題は、自分のすぐ背後まで来ていても、目に見えるまでは、なかなか意識できないものです。
目をつぶってしまっては、何をか況や。

熱を上げる屋久島町長選挙戦において、「あえて問題にされない」ふたつの事柄があります。

ひとつは、宮之浦の町民憩いの森の地中に埋められたダイオキシンの問題。
以前も取り上げましたが、当時、国有林の除草剤として使用されたダイオキシンは、強い発がん性が指摘されたのを機に使用が禁止され、分解処理方法も解明されないまま、各地の地中に埋められました。

その際、当時の町長が「いずれ処理方法が確立されたら、島外に運んで処理することを国に約束されている」と発言しました。
屋久島の政治に関わる人にとって、周知の事実です。

もうひとつは、2箇所の旧ゴミ処理場の問題です。
大量の有害廃棄物を抱え、何の対策も施されないまま放置されている2施設は、周辺の環境や私たちの健康にとってはもちろん、観光産業にとっても見過ごすことのできない問題です。
降雨量の多いこの島で、海へ川へ有害物質が流れ込むことは当然予測されます。

すぐ背後までどころか、いま目の前にある問題です。
目をつぶるのはやめましょう。

(2007.10.13発行のレポート45より、加筆訂正)

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