兵頭昌明の四方談義 Vol.5

 

屋久島の「もったいない」

ほとんど、あるいはまったく利用されることのない施設は、
町内にいったいどれほどあるだろうか?
考えるだけで気が遠くなりそうです。

産業構造の再構築や、
起業促進の一端を担うという視点で、
これらのものを見直してみると、
町内には大変な財産が遊んでいるとは思えませんか?

遊休資産活用のための処方箋を考えてみましょう。

1.施設、設備のリストをつくる
2.状態、利用状況を調査する
3.地域住民からなる委員会を組織し、評価する
4.町内事業者、若者、女性を含めた利用方法検討会を組織する
5.情報を開示して、利用希望者、利用方法を募集する
6.利用希望者の起業などを支援する

利用者については、
町民を優先するのはもちろんのこと、
町外、島外からも募集すれば、
居住人口の増加も期待できます。
そこからひとつでも新しい産業が育つことになれば......。

ひとくちに遊休施設といっても、
その対象は県道や町道の廃道敷やトンネルから、
民間の住宅や倉庫、店舗まで、
あらゆるものが考えられます。

要は、それらの施設を
一元的に管理できるかどうかにかかっています。

多様な情報に、
いつでも誰でも接することが可能であれば、
ひとつひとつの出会いが、
それぞれに展開していくのではないでしょうか。

これまでの国や県、町の産業政策は、
ともかく金を振りまいて新規の設備投資を促し、
さらなる有効需要を生み出すというやり方でした。
屋久島も例外ではありません。

ケニア共和国副環境相である
ワンガリ・マータイさんの運動によって、
「もったいない」という日本語は、
世界の言葉となりつつあります。

今こそ屋久島は日本に先駆けて、
世界の範となるべき
「もったいない」を
政策として実行するべきです。

なぜなら・・・
「世界自然遺産の島として、
  持続可能な循環型社会の実現を目指す」と、
世界中に宣言したのですから。

まず、身の回りの「もったいない」に
目を向けるところからはじめましょう。

(2005.7.16発行のレポートより加筆訂正)

 

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